開業した今となっては、もう専門医やら認定医やらといった資格は継続が困難です。大学病院勤務時代に苦労して取得した資格も、開業医となっては更新条件を満たせないからです。5年間の認定期間が過ぎると失効されます…。資格がひとつずつ失われていくのです。頑張った証がなくなるようで寂しい限りです。
ということで、これから剥奪されることはあっても増えることはないだろう…と考えていました。そんな中、今回、棚ぼた的に新たな資格をゲットいたしました。
その資格とは
「臨床肛門病技能認定医」
という資格です。
名前から想像するに「何やらすごい技を持った肛門科医」といった印象です。なかなか重厚な名称をつけたものです。これは日本臨床肛門病研究会が日本臨床肛門病学会へと格上げされたことにより作られた学会独自の資格です。
私がスゴ腕のために獲得したかのように聞こえますが、実は新設された資格というのは取得が比較的簡単です。まず他の専門医資格などと異なり試験がありません。学会に毎回参加していること、日々のクリニックでの手術内容を提出すること、そして日本大腸肛門病学会専門医を有することが資格取得の条件なのです。要するに長く肛門科医をやっていれば、書類選考だけでいただけるのです。これまで経験してきた筆記試験や口頭試問だったり手術ビデオの提出といった高いハードルは存在しません。
この条件での申請は、有効期間3年とのことでしたので、資格マニア?の私は飛びつきました。そして先日証書が届きました。
この資格は肛門科で開業していれば更新可能です。10年後には取得困難な超難関の資格に化けているかもしれません。むしろそうなってくれるとうれしいです。
ただ、よく言われる、名ばかりの専門医資格にならないように、皆がきちんとした手術を行っていかないといけません。私も「今まで以上に手術を頑張らねば!」と新たな気持ちになりました。
おしまい